口の広い茶入から茶を取ることを「汲む」といい、口の狭い茶入から茶を取ることを「掬う」という教えです。
ちょっと解説
この一首は、茶入の形に応じて、言葉まで使い分ける茶人の繊細な感覚を教えています。
口の広い茶入では、「汲む」ような気持ちで茶を取り、口の狭い茶入では、「掬う」ような気持ちで茶を取ります。先人は、その違いを「汲む」と「掬う」という言葉で表しました。
このような言葉の使い分けからは、道具のわずかな違いにも心を配っていた昔の茶人の感性がうかがえます。
この一首は、道具の形をよく見て、それにかなった扱い方をすることが、茶の湯の基本であることを教えています。
利休百首に収められた和歌は、稽古の場や茶会の一瞬、そして日々の暮らしの中で、ふと立ち返るための言葉として詠まれてきました。一首ずつ、静かに言葉を味わいながら、自身の茶の湯の心と重ねてみてください。