薄茶器に蒔絵や彫り物、文字などの意匠がある場合は、その向きや正面を正しく理解したうえで扱いなさい、という教えです。
ちょっと解説
この一首は、道具に施された意匠を正しく扱うことの大切さを教えています。
蒔絵や彫り物、和歌などが蓋から胴にかけて施されている薄茶器では、蓋と胴の合口を正しく合わせることで、模様や文字が一つの意匠として完成します。そのため、茶器を扱う際には、模様や文字がずれていないかをよく確かめることが大切です。
また、道具には正面があります。点前では客に正面が向くように置き、拝見する客も正面を意識して扱うことが求められます。
この一首は、道具の形だけでなく、その意匠や正面にも心を配ることが、道具を大切に扱い、相手への心遣いにつながることを教えています。
利休百首に収められた和歌は、稽古の場や茶会の一瞬、そして日々の暮らしの中で、ふと立ち返るための言葉として詠まれてきました。一日一首、静かに言葉を味わいながら、自身の茶の湯の心と重ねてみてください。