お水屋見舞いはどうすればよいでしょうか“気の利いた”水屋見舞いとは何か

  • 執筆:石塚 修

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「水屋見舞いとは何か」についての説明はいまさら不要でしょうが、「“気の利いた”水屋見舞いとは何か」となると、なかなか難しいものです。 

茶事にせよ茶会にせよ、当日に使用するようなものは、よほどのことでないと持参すべきではないとされています。井伊直弼が著した『茶湯一会集』には、花を持参する心得などが書かれているので、茶事の場合、よほど親しい間柄の場合には、「せっかくの珍しい花や菓子なのでご一緒に楽しみましょう」という意味合いで持参したことはあるようです。 

 

茶事の場合には、お呼びになる亭主の方が、料理も良くなさるようでしたら、次の機会に使っていただけるように、上質の昆布や麩のような乾物類をお持ちになるのもよいでしょう。また家族構成もわかっているのであれば、お掃除などでご面倒をおかけしたのでお疲れを癒してください、とその労をねぎらう気持ちも込めて、高級チョコレートやケーキなどを持参するのも一案かもしれません。 

 

茶会の場合は、水屋には水屋方が何人も詰めている場合が多いため、そちらで分けられるものを持参するのがよいとする考え方もあります。しかし、本来の「水屋見舞い」は席主への心遣いとしての贈り物です。その趣旨を忘れて水屋方への配慮だけを優先するのは、本末転倒のように思います。 

 

大寄せ茶会の席主は、とにかく一日に何席も務めなくてはなりませんし、ことによっては昼食もままなりません。また前日から準備や緊張で寝不足で疲れている場合もあります。そうした席主に対する気遣いの分かる品を持っていくからこそ、まさに「水屋見舞い」の意味があるのではないでしょうか。そう考えると、たとえば、一般にフルーツは傷みやすく取り扱いにも手間がかかるため水屋見舞いには好ましくないとされていますけれども、カットされていて一口で食べられるカップ入りのものなどは席主が席の合間に口にできて都合がよろしいのではないかと思います。また、ゼリー状のスポーツ栄養補助飲料や一口で食べられるアイスクリームなども同じように使えるのではないでしょうか。もちろん、それだけを持参するのではなく、通常の水屋見舞いにプラスして、席主への分として別に添えると気が利いた水屋見舞いになると思います。

 

 

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執筆者プロフィール

石塚 修

いしづか おさむ|1961年 栃木県生まれ。1985年 筑波大学大学院修了。現在、筑波大学人文社会系教授 博士(学術)。専門は茶の湯を中心とした食文化と日本文学との影響関係。著書『『茶人のたしなみ 和歌俳句に学ぶ』(淡交社)『茶の湯ブンガク講座』(淡交社 )『西鶴の文芸と茶の湯』(思文閣出版 )『納豆のはなし-文豪が愛した納豆と日本人のくらし』(大修館書店 )ほか。第25回茶道文化学術奨励賞などを受賞。今日庵茶道教授(茶名 宗修)。裏千家淡交会巡回講師。

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