
七月。和風月名は「文月(ふみづき)」。
睦月、如月、弥生などと同じように、和風月名には季節の移ろいや人々の暮らし、自然へのまなざしが映し出されています。文月もまた、その由来にはいくつかの説が伝えられています。
最もよく知られているのは、七夕に歌や文字を書いて供えた風習に由来するという説です。短冊に願いを託す七夕の風習とも重なり、「文」の字には文字や学びのイメージが結び付けられるようになりました。
一方で、稲穂が実り始める時季であることから、「穂含月(ほふみづき)」や「含月(ふみづき)」が転じたとする説もあります。稲が穂をふくらませる様子を表した呼び名が、やがて「文月」になったという考え方です。
どちらの説が由来であるかは定かではありません。しかし、七夕に願いを託す心も、秋の実りを願う思いも、人々が季節とともに暮らしてきたことを伝えています。
茶の湯でも、七夕の趣向を取り入れた茶会では、梶の葉や短冊を飾り、季節の願いを表現することがあります。
和風月名は、単なる月の呼び名ではありません。そこには季節を慈しみ、自然とともに歩んできた人々の願いが込められているのです。
撮影:木の葉/ PIXTA
参考文献
『茶趣12ヵ月ハンドブック』淡交社
国立国会図書館「日本の暦」
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