
桜を詠んだ歌人としてよく知られているのが、西行(1118-1190)です。西行は平安時代末から鎌倉時代にかけての歌人で、もとは武士の佐藤義清という名でしたが、出家し西行と名乗って各地を旅しました。
西行は桜を愛した歌人として知られています。歌集『山家集』には、桜を詠んだ歌が二百三十首以上も収められ、桜を訪ねて各地を旅し、その風景を歌に残しました。
なかでもよく知られている歌が
願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ
です。満開の桜の下で、春の満月のころに死にたいという願いを詠んだ歌で、西行の桜への想いをよく伝えるものとして知られています。
西行は吉野の桜を愛し、たびたび吉野山を訪れて歌を詠みました。一面に広がる吉野の桜は、古くから多くの歌人に詠まれてきた春の風景です。
満開を愛で、散り際に心を寄せる日本人の感性は、茶の湯の季節観と深く響き合っています。
撮影:吉野山 shimanto / PIXTA
参考文献
『稽古と茶会に役立つ 淡交テキスト 実践 取り合わせのヒント 4』淡交社
『茶の湯をまなぶ本 改訂版 茶道文化検定公式テキスト 1級・2級』淡交社
『山家集』
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