正座ができなくても大丈夫?はじめてのお茶会と「椅子で楽しむ茶道」のはなし

  • 執筆:石塚 修

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茶道=正座、というイメージはどこから?

「茶道」と聞くと、なぜか多くの皆さんは、まっさきに「正座」を思い浮かべられます。

もちろん、ドラマの映像などでも端正に和服を着た方が茶室に正座しているシーンが多いので、そのように思われることは無理のないことでしょう。

 

いまの茶席は、少しずつバリアフリーに

しかし、それは少し昔の茶会のイメージかもしれません。

近年は高齢化にともなって、お膝の悪い方たちも多くなりましたので、茶席も少しずつバリアフリーになってきています。

もしも、正座が心配な場合は、受付などで

「椅子をご用意はいただけますか」

と一声かけられますと、数に限りはあるかもしれませんが、たいていの茶席では補助椅子やスツールなどが用意されているので、対応してくださると思います。

“茶道は正座”というイメージが先行して、茶席やお稽古を敬遠される方には、茶道の本質はどこにあるのかを、一度お考えになってみてはいかがでしょうか。

一碗の茶を囲んで人々が交わる楽しみは、座り方にもまさる楽しみがあるものです。

 

椅子で楽しむ茶席「立礼(りゅうれい)」という選択

茶道流派の裏千家では、11代のお家元が考案した、テーブルのような形態で椅子で点前ができる   写真/宮野正喜

「点茶盤(てんちゃばん)」

というものもあります。

そうした椅子での茶席を「立礼(りゅうれい)」と称し、お客さまも正座ではなく、椅子で茶席を楽しめる形式が、実は明治時代から考案されていました。

市民茶会などで、いくつかの茶席がある場合には、

「正座が苦手なのですが、立礼(りゅうれい)の席はありますか」

などと、事前に問い合わせてみられると良いかもしれません。

 

それでも正座に挑戦するときの、ひとつの心得

それでも「やはり正座で体験してみたい」と挑戦してみて、途中でしびれてしまったときには、隣の席の方にそのことを伝え、つま先立ちになるなどして、けっして無理をされないことが大切です。

足の感覚がないままに、無理して立ちあがると、ねん挫などにつながる場合もあります。

正座ができるかどうかにとらわれず、まずは気軽に茶席の空気に身を置いてみてください。

茶の湯の時間は、思っているよりもずっと素敵なものだと感じられますよ。

 

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執筆者プロフィール

石塚 修

いしづか おさむ|1961年 栃木県生まれ。1985年 筑波大学大学院修了。現在、筑波大学人文社会系教授 博士(学術)。専門は茶の湯を中心とした食文化と日本文学との影響関係。著書『『茶人のたしなみ 和歌俳句に学ぶ』(淡交社)『茶の湯ブンガク講座』(淡交社 )『西鶴の文芸と茶の湯』(思文閣出版 )『納豆のはなし-文豪が愛した納豆と日本人のくらし』(大修館書店 )ほか。第25回茶道文化学術奨励賞などを受賞。今日庵茶道教授(茶名 宗修)。裏千家淡交会巡回講師。

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